■テレビを見ていると「耳を疑う発言」いうなれば「バカ発言」などしょっちゅうだ。そんなレベルをはるかに超えて脳ミソ全体がシャッフルするような発言だってある。『ド・バカ発言』と名付けているがそのひとつ
■1995年1月の阪神淡路大震災が起きた当日、NHKのスタジオに2人の地震学専門家が招聘されていた。刻々と入る現地からのナマ情報が、未曾有の大災害であることを印象づけ始めた午後3時頃、専門家のひとり、早稲田大学理工学部教授なるカタガキをもつ御仁がド・バカ発言
■「いやあ〜、東京に起きなくて、ホント〜にヨカッタですねえ〜」。クチもとには安堵の気持ちを表す薄ら笑いが──。発言直後、急に現地からの映像に切り替わる。3、4分後、進行役のNHKアナウンサーの顔が映し出された。そしてのたまった。「先ほどの早稲田大学“バカ丸出し”──とはさすがにいわずに本名だった──教授の発言はNHKとは一切関係ありません」。仏頂面だった
■その後、その教授のお顔が画面に表れることは二度となかった。今一度、御尊顔を拝したくて、そのまま夜中遅くまでチャンネル変えずに見続けた自分がいた