252.鏡面化現象論
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水裏面は一部を除いて鏡面化する(その“一部”がいわゆる「フィッシュ・ウインドウ」ナリ)。鏡面化すればどうなるか。水底やら水中の景色が映しこまれることになる。写真がソレ。水底の岩や石をほとんどそのまま映し出しているが、ただし、あらゆるエリアがこうなるとは限らない。このエリアは水深40㎝程度の浅瀬ゆえこうなる。深ければどうなるか。下写真を。
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水深1.5m程度のエリア。画面左側の水裏面を。濃い目のシアン色一色だが、水深が深ければ水底の岩や石を映しこむことはなく、かようにシアン色がかるのが普通。深くなればなるほどシアン濃度は濃くなる。なぜか。水なる物質(媒質)は赤色光をかなり著しく吸収するからである。水深が深くなればなるほど赤色光の吸収率はアップ。自ずと吸収されにくい緑や青の色光が占有。ゆえにシアンがかるワケ。
水面型および水面直下型フライの『色』を考えた場合、この水裏面の色との関係性は重要。鱒類からの『誘目度(=目立ち度)』を左右するからだ。背景色と対比する色が必然的に高誘目度となるが、シアンとの対比なら、黄色、黒、そしてオレンジ。画面中央に浮かぶフライに注目。ピーコック・ボディ(濃緑色)とオレンジ・ハックルを持つビートル・パターン。濃緑色はほとんど黒化しているが(低いといえど緑色光も水に吸収されるためほとんど黒色になる)、背面の水裏鏡面は映しこまれた濃茶系の岩の色(+シアン色)ゆえ、黒よりもオレンジのほうが目立つ。
この『目立つ(=高誘目度)』というのは、鱒の捕食プロセスにおける第一段階=『(フライの)認知』を考える上で極めて重要。流れの早いエリアでは特に。認知の遅れは『釣れる釣れない』を決定的に左右するからだ。すなわち、『水裏面の色とフライの関係』を踏まえることは、ナントカ・カゲロウのハッチ時期だのフライング・ナントカの活動期だのという与件・条件なんぞより、はるかに優先されるべきなんである。こうした視点およびアプローチ手法が『実相主義』。コレと対比するのが、『教条主義』ないしは『表層主義』。未だに『教条主義』『表層主義』が台頭しているが(だから些末な画一論の就縛から逃れられんワケ)。このあたりの“続き”はいずれまた。
上記フライのハックルに注目。中央部が濃く先端部は淡い。すなわちグラデーションがかっているわけだが、これはハックル密度の差によるもの(フライが鏡面化現象によって水裏面に映しこまれているためオレンジがより一層際立って目立っている)。明度(や透過性)との関係で、このユニークな光現象、オレンジ色が最も高い。明度が低すぎても高すぎてもかくも鮮明なグラデーションには帰結しない。かような点に“気付き”、そして模倣性面等で創造的に活かすことが実相主義的嗜みの一里塚。すなわち『機能』と『模倣』の多元的複合。しかしまあ、フライ論記すのは楽チンだなあ〜と改めて気付いた自分がおわす
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by KOKUZOBOSATSU | 2005-06-06 20:45 | ●ふらいふぃっしんぐごっこ