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156.キョウカタビラ(漢和辞典少年の追憶)
〈我流採点式・必読度&面白度 ★★★☆☆

156.キョウカタビラ(漢和辞典少年の追憶)_a0020116_19194535.jpgナンバー153で紹介した小説、★★☆☆☆だった。「600ページ/2段組み」というドストエフスキーやらトルストイ級のボリューム。冗漫デシタ。サワリで「吸血鬼」なる単語まで出始めたので大いに期待したのだが…。ちなみに当方「吸血鬼モノ」が大好きである。ブラム・ストーカーの傑作『ドラキュラ』は10才の時に読んだんだが、途中「経帷子」なる漢字が登場。読めなかったんでオヤジ&オフクロに聞いた。ふたりとも読めなかった。前後の文章から類推しようとしたんだろう、オヤジは少しばかり読み始めてから表情が変わったネ。そして一言。「小学生が読むような物語じゃあない!」。「経帷子」なる漢字が登場しているあたりは、エロティックな描写タップりだった「ウン。もう読まないよ。次からは日本の小説にするよ」。素直(なイイ子)だった。そしてハマったのが『横溝正史』。貸本屋で片っ端から借りてきてはむさぼり読んだ。“コッチのほうがよっぽど過激だぜ”とひとり、ほくそ笑みながら。読めない漢字は自力で調べた。お陰で“漢和辞典のオニ”とまで言われたうえ、妙にムズカシイ漢字ばかりを知ってるヘンな小学生になっちまったが──156.キョウカタビラ(漢和辞典少年の追憶)_a0020116_19143429.jpg吸血鬼モノで断然イチ押しは、ステイーブン・キングの『呪われた町』。傑作!(映画化もされたのだが、ソッチは酷い愚作だった)。そのオマージュとして書いたというフレコミの小野不由実さんの長編『屍鬼』は上巻のみでヤメ。これまた冗漫。映画では『ロスト・ボーイ』。吸血鬼族の若者達が主役だが、彼らのメイクと演技力がスゴイ。“コイツらホンマモンの吸血鬼じゃあないのか?”。今でもそう思っている。日本では吸血鬼よりも『鬼』。この『存在』も興味深い。角を生やして縞々パンツを履いているけど、アレ、「牛」と156.キョウカタビラ(漢和辞典少年の追憶)_a0020116_19164062.jpg「虎」のミックス具象。いわゆる「鬼門」は東北方角だが、別名「丑寅(ウシトラ)の方角」。それにちなんでいるワケ。てなことを高橋克彦さんの『竜の棺』ほかで学んだ。漢和辞典のお世話になるような“描写”は皆無だけどネ、このヒトの小説(153で紹介した作品には珍しくあったけど……)。なお「経帷子」の読み方は、イチバン“最初”に表記。Macの拙いワープロ・ソフト(ほんとう〜に拙いどころかムチャクチャにヘボイ)でもイッパツ変換。少しは見直した自分がいる
by KOKUZOBOSATSU | 2005-03-15 16:49 | ●書評&オススメろん