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121.大和民国と日本民主主義人民共和国 (政治とスポーツと民族・血縁)
〈我流採点式・必読度&面白度 ★★★★☆〉
■早朝起床。テレビ各局のニュースを行脚。新聞各社のサイトも。昨夜、“明日の新聞で、絶対に『大黒様』という活字が踊るゾ!”と思っていたら、予想に反して日刊スポーツ一紙だけだった。『ありがとう!大黒様』というタイトル。『神様、仏様、大黒様』のほうがイイぜ、と思ったけどネ(ワタシが編集長ならそうした)。決勝点をあげた大黒(オオグロ)選手に結果的にアシストとなったパスを送ったのは“福西選手”だからナントもメデタイ得点ではあった■しかし日本は強くなった。ああいう状況でドラマティックな得点を決めるシーンが前回のワールドカップあたりからしばしば見られるようになったが、明らかに『地力=実力』を裏付けるものだ。“地の利”はあったとしても少なくとも「根性」とか「執念」なんかじゃあない。昨夜のマツキとかいうテレビ解説者、その類いの言葉(ばかり)を連発しまくっていたが(ホンマ、単なるアホやねん)。チームや選手の実力は上がっても解説者の実力は……ということだ。野球界みたいにならぬことを祈るのみ。イチロー選手クラスの実力をきちんと評価・解説できぬ解説者の吹きだまりだよ、日本野球界。アノ、“喝!アッパレ!”としか叫べぬハリモト・イサオさんを筆頭に■昨夜遅くのニュースを見ていたら各局とも、北朝鮮チームを応援する在日韓国朝鮮人の皆さんや韓国国民の様子を結構大きく取り上げていた。後半16分、ナム・ソンチョル選手の見事にして鮮やか極まりない同点ミドル・シュートが決まった時の狂喜乱舞振りやら、タイムアップ寸前に決勝点を奪われて落胆する様子を生々しくレポート。ちょっと複雑な気分になったのは、韓国国民や在日韓国人の方々がはっきり北朝鮮を応援していた点だ。「同じ民族だから」とクチグチに(もちろん「両国とも応援してます」という“バランス感覚”に富んだ声もあることはあったが)。複雑な気分になったのは、それが当たり前の感覚だろうなあと認めながらも、“仮に我が日本国国民だったらどうなんだろう”とひとつに思ったからだ■日本国、東西で分断されていたとしよう。「関ヶ原」あたりを境にだ。片や「大和民国」、片や「日本民主主義人民共和国」。「日本民主主義人民共和国」のチームが外国チームと闘っている時、はたして「大和民国」の方々、ちゃんと「日本民主主義人民共和国」チームを応援してくれるだろうか。“日本民主主義人民共和国のウドンのツユ、真っ黒だからよう食べれんワ”とか“納豆なんてニンゲンが食うモンとちゃうでえ〜”とばかり、何かとイチャモンつける方々ゆえ(それも食い物ばかりをターゲットに)、そのノリの延長で外国チームを“熱烈応援”しちゃいそうな雰囲気が。■とはいえである。個人的にはこの“日本型”のほうが断然好みだ。『同じ民族』『血類』とかを何でも優先しちまう感覚や、“政治とスポーツは別”などという借り物的ノウガキを掲げて、ソレを当然のごとくのたまうナントも無責任にしてあやふやなセンスよりは──ということだ。政治とスポーツが別だというのなら、スポーツと民族やら血縁・血類・血族も別にしろや!である。そうでなくちゃあ、スポーツだとかアスリートの『本質』に触ることすらできまい。野茂サンやイチロー選手、中田英寿選手がアスリートとして光るのは彼らがそのあたりと無縁であるからだ(松井秀選手はちょっと……なんだよな)■それにしても昨夜の試合、オモロカッタ。北朝鮮チームは滅法強かったしね。シュートの威力・迫力は日本より断然上。試合前まで「日本が3ー0で勝つ」だの「4ー1で圧勝!」などと豪語していた解説者・評論家諸氏が圧倒的に多かったが(すでに“野球界化シンドローム”が始まっている)、全く逆の結果に終わってもおかしくはなかった。しかしナム・ソンチョル選手の同点ゴールはそこに至るまでの連続横パスも含め実に見事だった。VTRで観るとキーパー川口選手の動きを見切っていた感が見てとれたが、角度といいコースといいコントロールといい申し分なかった。とはいえ見た瞬間、4年前の4月11日、イチローがその名を全米中に轟かせたあの「レーザービーム」を思い起こしてしまった、やっぱり根っからの野球(のほう)好きな自分がいる
by KOKUZOBOSATSU
| 2005-02-10 07:17
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